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山形県の民話

山姥と名刀
Vietnam chinese

 昔むかしのこと。佐助という若者が黒森にブドウやアケビとりに出かけると、日当りのよい所でアケビのつるであんだ大きな平たいかごを拾った。佐助はこれは便利な入れ物だとブドウやアケビを入れて山を下りた。その夜のこと、山の方からドシンドシンという地ひびきが家に近づいたと思うと戸がドンドンとたたかれ大声で「佐助、ゾウリを返せ、ゾウリを返せ」とどなられた。佐助はふるえながら「他人のゾウリなど知らぬ」というと、「おらのほしておいた片方のゾウリ持って行ったでねいか返せ」。佐助は「何だか知らねいが今日ひろった物なら裏口さ干してあるから持って行け」というとそれっきり静かになった。翌朝外に出て見ると大きな足あとが山までついてあった。佐助は山姥に食われなかったのは昔から伝わる名刀のおかげだと家宝として大切にしていたが、いつの頃からか万民のためにと羽黒山におさめたということだ。おわり。

白鷹町老人クラブ連合会様 「白鷹のとんとむかしとうびんと」より

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